2008年05月15日

銅版画教室★番外編

★番外編

以上が、銅版画のつくりかたです。
一見、ややこしそうだけど、
1..銅版は酸性の溶剤で腐蝕する
2.版の凹部分にインクがはいる
ということだけ分かっていれば、そうでもないんですよ。

ただ、薬品を使うので、思った通りの表現をするのはすごく難しい。
そのかわりに、失敗だ!と思ったときに限って、
思いがけない面白い効果がでたりもするので。。。
それが楽しくてやめられないのかもしれない。

data.jpg
アクアチントのデータをとっておくと、参考にできて楽。
でも気温や熱し方によっても変わるから、最後はカンかな?

失敗も、面倒なことも多いんだけど
やっぱり銅版画の線の味わいやあたたかみは、
他ではかえられないモノがあります。

今回、3つの作品(小サイズ)を作るのに3日かかりました。
大体、これくらいのサイズなら刷りまでふくめて
1~2日でできます。
途中で失敗することもあるので、お仕事の場合は
1週間以上の余裕を見ていただけたらありがたいです。
作品が乾くのに3~4日かかるので。
ぜひぜひ、ご依頼おまちしておりますー!

あ、9月には銅版画で個展をやります。
京都の恵文社のギャラリーアンフェールにて。
春は制作にいい季節だからがんばります。
冬は寒くて寒くて。。。水使うし、換気しなきゃいけないし。
版画家のY先生のアトリエをお借りして、ぼちぼち制作しています。


★おまけ
銅版画は体力仕事!
今回は小さいサイズだったので、それほどでもなかったけど、
大きい作品(45×60cmくらい)になると、版を腐蝕液につけたり
だしたりをくりかえすだけで、結構タイヘン。
プレス機のハンドルを回すのもかなり力がいるし、
インクをふきとるだけで、一時間くらいかかることも。
なので甘い物でも食べないとやってられない~。
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今日はミスタードーナッツ。


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汚れてもいい格好で。
前はエプロンしてたけど、最近はほとんどつなぎ。




posted by ムラカミ at 19:51| 京都 ☀| Comment(2) | 銅版画のつくりかた | 更新情報をチェックする

銅版画教室3★刷り編

さらにつづきます。

今回は刷りです。

☆前もって、紙を水につけておく。
 最低でも30分。できれば前日からつけておく方がいいらしい。
 紙の不純物が水にとけるのだそうです。
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 刷る前に水からだして、吸い取り紙で水気をとる。
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☆インクをつめる。

1.インクをへらでよーく練る。
 へら(版を傷つけないようゴムとか紙製のもの)で版にインクを
 まんべんなくのばす。
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2.寒冷紗でざっとインクを拭き取る。
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3.そのあと薄い紙(電話帳)でていねいにインクをふきとっていく。
 あまり力をいれすぎないように、少しずつ。

 

4.版の表面がきれいになるまで。
 こんな感じです。
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☆刷る

 これがプレス機。銅版画にはこの機械が必要です。
 結構でかいです!45×60cmまで刷れます。
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1.台の上に版をおく。
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 版の上に紙をおく。
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 最後にフェルトをかける。



2.プレス機のハンドルを回す。(写真がないのでイラストで)
 結構力がいります。大きい作品のときは大変! 
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 板が動いて、ローラー部分を通るときに、圧力がかかって
 版のインクが紙に転写するのだ。
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 左から右へ動きました。
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 フェルトをあげて、紙をそーっとめくります。
 この瞬間が一番ドキドキします!
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 こんな感じでできました!
 反転しているのがわかりますか?
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2.ベニヤ板に版画を水貼りテープで貼る。
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 このまま5日間、少なくても2日間は乾かす。

 完成! 写真がちょっとぼけぼけですが。。。
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posted by ムラカミ at 03:43| 京都 | Comment(0) | 銅版画のつくりかた | 更新情報をチェックする

銅版画教室2★アクアチント編

前回の続きです。

☆アクアチント
 アクアチントは松ヤニの粉をふりかけ、熱で定着させて腐蝕液につけ、
 腐蝕させる方法。
 面の表現に使う。
 浸ける時間が長いほど濃い色になります。

1.松ヤニをふりかける。

 これが松ヤニの粉。すりばちですりつぶして。。。
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 カンにいれる。
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 カンの口部分(ふたはしない)に、布をゴムでとめます。
 お手製(というほどの物でも…)のアクアチント缶です。 
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 写真がないのでイラストで。
 カンを下に向けて布部分(底)をぱんぱんたたき、ほこりをたたせるようにして
 松ヤニをふりかける。まんべんなく。
a-houhou.jpg



2.熱を加えて、松ヤニを定着させる。

 ほこりがうっすらつもったようになるまで松ヤニをふったら。。。
 電熱器にのせて、熱を加えます。少し浮かせて、まんべんなく。
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 うっすら赤く、色がかわったのわかりますかね?
 これが定着したしるし。
 熱し足りなくても熱しすぎてもダメなのです。
 このタイミングが結構難しい。。。
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3.腐蝕液につける。

 腐蝕させたくないところ(白で残したいところ)を、グランドでとめる。
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 腐蝕液に上向きに浸ける。
 アクアチントの時には、わたしは硝酸を使います。
 もちろん第二塩化鉄でもOKです。
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 泡がういてきたら、刷毛ではらってやります。
 泡がついたままだと、きれいに腐蝕しないので。
 一番薄い色で2分くらい浸ける。
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 これ以上腐蝕させたくないところをグランドでとめて、
 再度、硝酸に。
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 これを繰り返して色の濃淡をつけていく。
 腐蝕時間が長い部分ほど、色が濃くなります。



4.またまた試し刷り。これを参考に、もう少し手をいれていきます。
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posted by ムラカミ at 02:42| 京都 | Comment(0) | 銅版画のつくりかた | 更新情報をチェックする

銅版画教室1★エッチング編

「銅版画ってどうやってつくるの?」「何日くらいでできる?」「費用はどれくらい?」とよく聞かれることがある。
そこで銅版画の作業過程をアップしてみます!

*銅版画は凹版です。
 木版画の凸版とちょうど反対です。
 つまり、凹部分につまったインクが、紙に転写されるのです。

*銅版画には直接版に描く直接技法と、薬品で版をつくる間接技法があります。
 直接技法は「ドライポイント」といわれます。
 間接技法にはいろいろありますが、ここでは「エッチング」と
「アクアチント」のやりかたを説明します。
 

★用意するもの 
○左上から
 紙ヤスリ アルコール(松ヤニを落とすもの)
 グランド(防食剤)ピカール 松ヤニ
○中央
 銅版 ニードル
○その他
 壁紙シート 水彩紙など
  
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☆「エッチング」 
 線の表現に使います。
 シャープで硬質な線になります。


1.銅版の裏に壁紙シートを貼る。
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 余分なシートをカッターで切り落とす。 
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2.プレートウォーマーに版をのせてあたためる。
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 版があたたまったらおろして、グランドをはけで塗る。
 ムラにならないようすばやくさっさっと。
 グランドが乾くまでしばらくおいておく。
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3.ニードルで絵を描く。わたしはフリーハンドで描きます。
(下絵を転写することもできますが、ここでは省略)
 力を入れずグランドを剥がす感覚で描くと描きやすい。

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 エスキースみたいなもの。でも描いてるうちに変わっていく。



4.腐蝕する。ここでは第二塩化鉄(写真の黒い液体)という溶剤を
 使います。
 描画した面を下に向けて浸ける(硝酸の場合は上向けに浸ける)。
 切り目をいれた消しゴムではさんで、少し浮かせるようにする。
 冬は一時間半くらい、夏は40分くらい浸ける。
 気温が高いほど、腐蝕が早いのです。
 今日は一時間ちょっと浸けた。
 
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5.水できれいに洗う。



6.版のグランドをリグロインをつけたぼろ布でふいて、きれいに落とす。
 エッチング完成!
 ニードルで描いたところが凹になっています。
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7.試し刷りしてみました。エッチングの線だけだとこんな感じ。
 これからどうしようかな。。。
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posted by ムラカミ at 01:38| 京都 ☀| Comment(0) | 銅版画のつくりかた | 更新情報をチェックする